甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
さっきから、この人…

私のことを、何気に"好きだ"と連発してる。

かーーっ

頬が熱い。食べたせいじゃない。

たぶん、私は赤くなってる。

「ねえ、困ってる人がいて、自分にできることがあれば、声をかけるのは当たり前のことだよ?

私は、松田くんが思ってくれてるような良い人でもないし、かわいくもない」

「恋に落ちるのに理由なんてないし、佐久間はかわいい」

「………」

「付き合ってくれたら嬉しいけど、まだ無理そうだから、まずは俺のことを知ってほしい」

「ごめ…」

伝えようとした"ごめんなさい"は、松田の大きな手で言わせてもらえなかった。

「だから、まだ結論出さないで。

"同期の松田くん"じゃなく、"佐久間のことが好きな松田 大樹"として見て」

「うん。分かった。考えてみる」

「ありがとう。都」

「………」

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