甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
お茶を飲んで歓談する人たちから、離れた席に仲良く並んで座る都と、松田がいた。

田中 三奈はいない。

ホットコーヒーが注ぎ終わるのを待っていると、松田が都を抱き寄せるところが視界に入る。

ギシッ…鎖骨の下辺りが痛んだ。

『松田と付き合ってるのか?』

昼休憩から帰ってくる都を、電話で話す振りを装い、待ち伏せした。

思い切って、都に聞いたが『ただの同期です』と言う。

だが、その後の二人を見てると、いつの間にか彼女が"大樹"とこっそり呼び、松田が"都"と堂々と呼んでいる。

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