甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
5.
離さない
「あの…?」
少し潤んだ宮澤さんの瞳が揺らいでる
「いつも、俺の心の中にいるのは君だ。
今年になって、君に避けられて。
理由も分からなくて悲しくて。
いつも以上に仕事を詰め込んだんだ。
余計なことを考えずに済むようにと…
だけど、いつもここ、心の真ん中にいるのは君なんだ」
宮澤さんが、私の手をそっと包む
「佐久間 都さん。君のことが好きだよ。
好き過ぎて、君にこんなことを言ったら呆れられるのではないかとか、君は迷惑なんじゃないかとか、考え過ぎて行動できない。
俺の気持ちを君に知ってほしい」