甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
机の上の資料をサッサと片付けた宮澤さんが

「自席へこの資料を置いてくるから、佐久間さんは落ち着くまでここ使って。
俺を待たなくていいから、帰れるようになったら、気を付けて帰るように」

「………」

(何ですか?その余裕は)

パタン…

資料を手にした宮澤さんが会議室を出て行った。

化粧ポーチから、コンパクトを出して自分の顔を映してみる。

頬を赤く染め、瞳が潤んだ私がいた。

(宮澤さんとキスしたんだ…しかも、私を気遣ってか、深くは口付けず、そっと触れるだけのキス。
好きな人とのキスは、気持ちいいんだ)

大急ぎで、顔を直し、言われたとおり会議室を後にした。

会社の外へ出てから、宮澤さんへラインを送る。

『外へ出ました。会議室の電気は点けたままにしておきました。お先に失礼します』

♪♪♪〜

『ありがとう。気を付けて』


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