甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
「信じるか…
俺は、ボロボロになる都を見たくない。

心に、引っかかることがあると、ずっと尾を引く。

聞きづらくても、
怖がらずに聞いてみ?いいね?」

一旦、言葉を区切る。

「案外、その女性は妹でした〜とか、残り香も何てことないオチかも」

「…そうだといいんだけどね」

ははは…と笑ってみる。

私を見つめる大樹と目が合う。

「都、俺はあの人に怒っている。

何か事情があるかもだけど、食べることが大好きな都を、食欲を無くすくらい悩ませたんだ。…許さない!」

「け、喧嘩はダメだよ?」

慌てて止めた。

「心配するな。あの人と喧嘩はしない。
事実を知ってもらうだけだ」

(事実を知ってもらう?何するつもり⁇って思ったけど、不敵に笑う大樹を見たら、何も聞けなくなった)




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