恋の魔法と甘い罠~おまけSS
全く言葉を発することのない玲夢に、ついかっとなって大きな声が出た。


そしたら玲夢の体はピクリと跳ねる。



「ちゃんと言ってくんねえ? 俺、マジでわかんねえんだよ」



両手を掴んだまま、至近距離で顔を覗き込むと、ちらりと俺の方に視線を向けた玲夢。


そしてぼそりぼそりと呟くように話し始めた。



「晴希さんのシャツ……」


「俺のシャツ?」



こくんと小さく頷いた玲夢。



「……」



でも、そのあとの言葉は続かなくて。



「俺のシャツが何?」


「……持ってくる」


「ん?」



そのまま立ち上がった玲夢は寝室に入っていき、俺のシャツを手にして戻ってきた。


そして目の前に突き出されたそれ。
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