恋の魔法と甘い罠~おまけSS
「でもぼくとけっこんするもん!」


「いんや、ママは譲れねぇ」


「ちょっと晴希さん!」



子供の喧嘩のようにあたしとの結婚を言い争う二人に、最初は微笑ましく見ていたんだけれど、気づけば柊晴の瞳からはぽろぽろと涙が溢れだしていて。


晴希さんの言動がちょっと行き過ぎていることに気づく。


あたしの胸元の服をぎゅっと握り締めている柊晴は、次の瞬間──



「パパのばかぁー! うわあああああん!」



そう叫んであたしの胸に顔を押し付けて号泣し始めてしまった。
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