恋の魔法と甘い罠~おまけSS
「美味そう」



あとは盛り付けるだけの肉じゃがを見てそう言って、今度はあたしの顔を覗き込む。



「また真っ赤になってる」



ふっと笑いながらそう言った和泉さんは、そのままあたしの顎を持ち上げて顔を寄せた。



「着替えてくる」



触れるだけのキスをしてそのまま寝室の方へ行ってしまった和泉さんの背中を見ながら、うるさいくらいにどきどきと音を立てている心臓の上辺りの服をぎゅっと握る。


けれどなかなかその音はおさまってくれなくて、和泉さんが戻ってくるまで何度も何度も深呼吸をした。
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