恋の魔法と甘い罠~おまけSS
◇◇◇



「おかえりなさい」



ドアの開く音がしたから玄関へ行くと、晴希さんが帰ってきていた。


だからそう言ったけれど、なぜかとても不機嫌そうでたった一言「ん」と言っただけ。


何かあったのかな、と思いながらも、火をかけっぱなしだったことを思い出してキッチンへ戻った。



ほぼ出来上がっていた夕飯をテーブルに並べていると、晴希さんは部屋着に着替えてきたけれど、やっぱり不機嫌そうで。


普段は何も話はなくても、何となく言葉を交わしたりするのに。


こんなことは珍しい。



「晴希さん、もう食べるよね?」



いつもならテーブルに食事を並べたら、ちゃんとその前に座るのに、なぜか今日はソファーに座ったからそう訊いてみる。


そしたらまた「ん」とたった一言。
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