腹黒王子に秘密を握られました
 


天然な年下おバカキャラのはずの柴崎くんが、一瞬だけ見せたするどい表情。
あれはいったいなんだったんだろう。



私は柴崎くんを自宅まで送り届け、会社の駐車場に車を停めながら考える。

いつも笑顔で、にこにこ愛想をふりまく柴崎くん。
しかし、その裏に隠された本性。

「まさか……っ」

これは、あれね!
純真な笑顔の下に野獣性を隠した、豹変型の攻めねっ!

普段はみんなに可愛がられ人懐っこい小型のワンコみたいなくせに、ターゲットとふたりきりになると豹変してガンガン強気で口説いちゃう、商業BLによるあるやつねっ!!

なにそれ、たかぶる……っ!

「ファーーーーッ!!」

「何お前、叫んでんだよ」

「はっ!!」

車の運転席で興奮を隠しきれない私を外から見下ろす冷たい視線。
金子、お前いつの間に。


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