腹黒王子に秘密を握られました
明るく光るディスプレイの中には、見つめ合う二人の制服姿の男子高校生のイラスト。
指先が触れただけで息を飲む恋に不慣れな二人。その横顔に浮かぶのは戸惑い。
響く学校のチャイム。遠くに聞こえる運動部の声。校舎を赤く染める秋の夕暮。
微かに触れた指先から伝わる体温。もっと触れたいという欲望に背徳感と理性が揺らぐ。
誰もいない放課後の教室で、本能に抗えずゆっくりと伸びた腕。
そっと肩に触れると、華奢な身体がびくりと震え、潤んだ瞳がこちらを見る。
その瞬間堰を切ったように感情が溢れだし、今にも泣きだしそうな表情で、無言できつくきつく抱きしめあう。
男子高校生同士の、許されない恋……。
「ふおおおおお! 切ない!! たまらん!!」
やだこれ、滾る!
これを書いたのは自分だけど。それでも大好きなシチュエーションに血流が増すばかり。
「リリカルホモ、サイコー! DK、サイコー!!」
そんな言葉を部屋で一人叫ぶ。
そう、実は私はアニメや漫画、そしてなにより男同士の切ない純愛をこよなく愛する、隠れ腐女子なのだ。