腹黒王子に秘密を握られました
ピンポンピンポンピンポーン。
というやかましい音で目が覚めた。
なんだ。
どっかの小学生がピンポンダッシュでもしてんのか。
人が寝てるっていうのに、朝っぱらから人の家のピンポン連打すんな、このドアホウガッ!!
そう怒鳴ってやろうと勢いよくベッドから体を起こすと、くらりと眩暈がした。
そのまままたベッドに倒れ込む。
あー、やばい。
世界がまわってる。
気持ち悪い。
平衡感覚が狂った身体はふわふわと頼りなく浮いているようで、じわりと冷や汗が浮かぶ。
あー、喉がカラカラ。
頭痛い。
身体が熱い。
関節がぎしぎしと軋む。
っていうか、今何時なんだろう。
もう外が明るい。
カーテンの隙間からもれる光に、とっくに朝が来たことをさとる。
会社、行かなきゃ。
そう思って手探りでスマホを探したけれど見当たらない。
昨日会社から帰ってから、バッグの中に入れたままだ。
充電もしてなかったから、電源が切れてるかもしれない。だからアラームが鳴らなかったのか。