腹黒王子に秘密を握られました
バスに揺られること十五分。バス停からマンションの自分の部屋まではダッシュで約五分。
バス停から家までダッシュは正直つらいけど、六時三十分には確実にテレビの前にいられるだろう。
三十分間正座をしてテレビを見て、その後七時から就寝までびっしりパソコンにかじりつく。
よし、大丈夫。バッチリだ。
計画通りに進めば、日付を超える前に目的を達成できるはず。
左手にはめた腕時計を見ながら頷き、ロッカーに向かおうとした時、
「友野さん、これ出してくれたの?」
と声をかけられた。