腹黒王子に秘密を握られました
触れた瞬間、もう離さないというようにきゅっと握られた手。
触れた指から伝わる体温に、胸が高鳴った。
「金子さん……」
名前を呼ぶと、金子が優しい表情でこちらを見る。
「好きです」
この人は私のものなんだと思うと幸せで胸がいっぱいで、思わず言葉が口からこぼれる。
私の言葉を聞いて、金子がゆっくりと目を細める。
私を愛しいそうに見るその視線に、涙が溢れた。
あぁ、これがハッピーエンドってやつだ。
王子様とお姫様は互いの愛を確かめ合い、お城で末永く幸せにくらしました。おしまい。ってやつ。
私の頭の中では、軽やかなエンディングテーマとともにスタッフロールが流れていった。