腹黒王子に秘密を握られました
第十章 私だけの秘密
□第十章 私だけの秘密
「行きたくないー! いーやーだぁぁぁぁっ!!」
朝っぱらから全力で泣き叫ぶ私。
「うるせぇ! さっさと立て!!」
そんな私を容赦なく怒鳴りつけるのは、恋人になったばかりのはずの金子。
愛しい彼女に向かってそんな剣幕で怒鳴るか、普通。
昨日はあのまま金子のおうちにお泊りした。
一般的に、恋人同士がはじめて一緒に朝を迎えたときってさ、一緒のベッドで目覚めて、なんか照れくさいねって微笑み合って、幸せいっぱいで抱きしめあったりするもんじゃないの?
なんで私、首根っこ掴まれて床の上を引きずられてんの?
ぜんっぜん想像とちがうんですけどっ!!