腹黒王子に秘密を握られました
 
「だめ」

「だめ?」

「もっと」

ねだるように鼻先をこすりあわせてそう言うと、彼女の頬が一気に熱くなる。

「もっと、って……」

「こんなんじゃ足りない」

「金子さん……」

「敦、だろ?」

「あ、あつし……さ……」

不器用に俺の名前をつぶやいた唇を、強引に塞ぐ。
柔らかい下唇を噛んで、舌先で歯列をなぞる。
驚いて見開かれていた莉央の瞳が、ゆっくりと熱で溶かされていく。
理性が溶けて感情があふれたように、潤んでいく瞳。
とろりと甘く解けていく表情が、可愛くて仕方ない。

キスをしながら、背もたれ代わりにしていたベッドに、彼女の身体を押し倒す。
莉央の顔の横に両手を置いて見下ろすと、戸惑いながらこちらを見上げる潤んだ瞳。

「あ、あの……」

「なに?」

「晩ごはんとか」

「後でいい」

「シ、シャワー、とか……」

「それも後で」

莉央の言葉を流しながら、どんどん服を脱がしていく。
小さく抵抗しようとする彼女の太腿に手を置くと、組み敷いた身体が大きくはねた。

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