腹黒王子に秘密を握られました
「お前あざとすぎる。むかつく」
「あんたがおねだりしろって言ったんでしょっ!!」
「それにしても、反則だろ」
「意味わかんない! ってか、まじでギブギブギブギブッ!!」
頭蓋骨くだけるっ!!
叫びながら高速タップを繰り返し、ようやく解放された時には、私はもう息も絶え絶えだった。
床にへたり込み肩で息をする私を見て、金子が「あ」と声をあげる。
「そういえば、明日内覧の依頼が入ってるから、予定が開いてるなら同行してもらえないか? 俺が一人で行くよりお前もいた方が都合がいい」
「あ、はい……」
いきなり仕事モードにもどられて、痛むこめかみを押さえたまま頷いた。