筆舌に尽くし難い。
「うん、だからさここはこうしたいんだよね」
「あー、あたしもここの腰回りを改変した方が宜しいかと思ってたんです。」
ボールペンやカラーペン。何枚も乱雑にテーブルを埋め尽くす用紙や参考資料。
そして大量の付箋が貼られたばかりのファイルの中の書類を参照に、再度描かれたデザイン画にもう一手間アレンジを施し完成させる。
彼の理想通り、麗しく華やかでいて尚且つ内なる情熱さと穏やかな友愛さが存分に隠し散らばった美しいウェディングドレスのデザイン画が産声を上げた。
これならば、きっとクライアントもお気に召して頂ける筈だ。
「やっぱり期待のエース、新川にアレンジ頼んでよかったわー。実はこんな感じにしたかったんだ」
「…いえいえあたしは何も。ほぼ全部先輩のアイディアじゃないですか、流石です!」