ワケあり恋愛事情⁉︎
「あはっ!何それ!でも…ありがとう」


そう言って笑って見せた早乙女の笑顔は、いつもの笑顔より、ずっと綺麗だった。


きっとこれが本当の笑顔。


心の底から笑ってる。


「でも、少し話すようになるだけであって…冷たい態度に変わりはないから」


「うん、いいよ。大丈夫。だって、本当の綾瀬さんは優しいって知ってるもの」


「……ぇ」


「え?」


「名前…菜々保でいい」


こんなことを言っている自分に驚く。


私、本当は早乙女と友達になりたかったのかもしれない。


だけど、心のどこかで「なっちゃいけない」って言っている自分がいて…。


本当はとっくに早乙女を信頼していたのかも。

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