ワケあり恋愛事情⁉︎
「うん!菜々保!私は海未って呼んでね!」


「わかった」


久しぶりの友達。


なんだかくすぐったい。


私が自ら友達を作ろうと思うなんて…。


「菜々保、剣道部の練習見に行かなくていいの?郁斗君、待っているんでしょ?」


「うん、行ってくる」


そう言って2歩進んでから立ち止まった。


恥ずかしいから振り向かずに言う。


「海未、ごめん。あと…ありがとう」


そして私は、いつものように返事も聞かず、走り出した。


『私もありがとう』


そう、海未も言っている気がしたの。

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