ワケあり恋愛事情⁉︎
「菜々、食べねぇのか?」


私の手が止まっているから郁斗が声をかけてきた。


「あ、ううん、食べる…いただきます」


箸を手に持ち、散々迷った挙句、1番庶民の料理に近いカニ入りの卵焼きから食べ始めた。


「菜々、その卵焼き…欲しい」


「しょうがないなぁ…」


郁斗は昔から、お弁当の卵焼きが1番好きだった。


小さい頃、自分のお弁当の卵焼きを落としちゃって泣いていたのを覚えてる。


結局私のをあげたんだけどね。

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