ワケあり恋愛事情⁉︎
郁斗に手を振り、教室を出て靴箱へ向かう。


「菜々保!」


呼ばれて後ろを振り返ると、海未が駆け足できていた。


「どうかした?」


「うん、あの…私、さっきのやり取り見てて…。私、郁斗君に助けられたから…私も助けなくちゃと思って…」


海未にしては珍しく、言うのをためらっている。


「それで?」


「それで、その…怒らない?」


上目遣いで心配そうに聞いてきた。


「怒らないから言いなさいよ」


「じゃあ…お言葉に甘えて…」


そう言って深呼吸をした瞬間、海未の顔つきが急に変わった。

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