ワケあり恋愛事情⁉︎
私を守るようにして立ちはだかる郁斗。


「お前ら、何か用か?」


「ははっ!聞いたか?お前ら何か用か?だってよー」


「お前には用はねぇよ。ちょいとそっちのお嬢ちゃんの方にな」


「私…⁉︎」


用があるってことは私を知ってて何か用があるってこと。


でも…。


「私はあなた達…知らない。用なんかない」


「まぁ、俺たちも用はないんだけどよー。頼まれちまってな。ある人から。お前を連れて行けば金が手に入るんだわ」


その言葉でピンときた。


「この人たち…もしかして…」


もしかしなくてもきっとそう。


私が綾瀬財閥のお嬢様だから…。


私が人質になればお爺様からお金を巻き上げられるから…。


迂闊だった。


偶然とも言える運命で手に入れたこの地位が…こんなにも危険だったなんて…。

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