ワケあり恋愛事情⁉︎
「え、いや、でもそんな…」


「遠慮しないで?郁斗君」


「そうそう!菜々保との結婚も認められたし、郁斗君は綾瀬財閥の一員なんだから!」


え、いや、け、結婚って…。


わ、別れるつもりもないけど…。


「でもそんなご迷惑は…」


あ、郁斗は結婚ってところにつっこまないんだね。


「郁斗、行ってよ。いい結果期待してるんだから頑張って」



高校入って初めての全国大会だし、ちゃんと最後まで戦って欲しい。


私のせいで出場できなかったなんて言わせたくない。


「なーに言ってんの!菜々保も行くに決まってるじゃん!」


「え⁉︎…何言ってるの花音お姉ちゃん、そんなことできるわけ…」


「ふふっ……もうレッスンもないんだし、郁斗君の試合見てきたら?きっと惚れ直すわよ?」


「由梨お姉ちゃんまで…」


レッスンがないとは言っても、パーティーのレッスンがないだけで、お嬢様としてのレッスンはあるし…。


「……俺も、菜々に来て欲しい…」


「うっ……」


そんな顔赤くして言わないでよ!


行くって言うしかないじゃん。


「クスッ……決まったみたいね。さぁ急いで?時間は待ってくれないんだから」


「ほら行った行った!」


花音お姉ちゃんに背中を押されたと同時に走り出す。


「ありがとー!お姉ちゃーん!」

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