ワケあり恋愛事情⁉︎
「楓ちゃんのお家ってどんな色だかわかる?」


「えっとね、屋根が黒で、壁は茶色なの」


…全然特徴がない。


屋根が黒・壁が茶色の家なんていくらでもある。


「じゃあさ、楓ちゃんのお家の目の前ってどんなお家だった?」


「えっと…あ!すっごい大きなお家!とってもお洒落でかわいいの!お花とかも植えてあって…真っ白なお家だったよ」


この言葉でピンときた。


だって、この辺りでその見た目の家なんて1つしかない。


「…菜々、俺…ちょっと心当たりがあるんだけど…」


「…私も。まさかとは思うけど、行ってみる価値はありそう」


多分郁斗も思い浮かべている場所は同じ。


私と郁斗は真ん中に楓ちゃんを挟み、手を繋いで目的地へ向かった。

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