ワケあり恋愛事情⁉︎
向こうで楓ちゃんと楓ちゃんのお母さんが話をしている。


「いいな…」


つい口からこぼれてしまった。


隣に郁斗がいたことに気づいてハッとする。


なんとか誤魔化さなくちゃいけない。


私の言葉を聞いた郁斗が何か言いかけようとした。


「ほ、ほら。楓ちゃんとお母さんが近づいてくるよ。私達も行こう」


「…ああ」


郁斗の言葉を遮って楓ちゃんの方へ駆け出した。


今日は厄日だ。


誰かの前で、2回もミスをするなんて。


クラスのみんなの前で、思いっきり喜んでしまったこと。


郁斗の前で心の声が出てしまったこと。


ちゃんと気をつけなくちゃね。

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