ワケあり恋愛事情⁉︎
「そ、そんな話知らないから」


なんとかこれで誤魔化したかった。


だけど私の願いもむなしく、郁斗はさらに追い討ちをかける。


「おいおい、昨日だぞ?一緒に公園言って楓ちゃん助けたじゃないか。その後一緒に由梨さんのご飯食べて…その時約束しただろ?」


「ちょっと!そんなに言ったら…」


慌てて席を立ち、郁斗の口を手で塞ぐ。


周りのみんなを見ると…驚いた顔をしている。


まぁ、そうなるよね。


だけど、驚きを表した顔もだんだん変わってきた。


私を睨む人。


信じられない人。


周りとひそひそ話す人。


「どうしよう…」


今までの私の努力が無駄になってしまった。

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