キス、のち涙。
『長谷川大河のこと抜け駆けするとか、マジでズルい。』

『ちょっとモテるからって、すぐに調子乗って、ウザすぎ。バカ?』

『長谷川大河は皆のものなんだから。なのに独り占めするとか。頭おかしいんじゃないの?』

『どうせ、秋元祥吾のことも好きなんでしょ。』

『秋元も秋元で可哀相。こんなブスな女に付きまとわれて。』

『ねぇ、本気でウザい。視界から消えてくんない?』

『長谷川大河と秋元祥吾のことが、好きなんだ?あのいとこ組のこと。うっわ、二股。』

『二股とか、性格悪すぎじゃん。ただのビッチ。』



・・・・・・何、これ・・・・・・?



手紙を読んでいると、目頭が熱くなってきた・・・・・・。

どうしよ、泣いちゃいそう・・・・・・。



だ、だめだ。

泣いたらダメ、私・・・・・・。




私は、靴箱にあった手紙を全部ゴミ箱に捨てて、上靴に刺さっている画びょうを全部取って、ボロボロの上靴を履いたまま、教室に向かった・・・・・・。
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