運命の出会いって信じますか?

最後に英輔に触れたのは、彼がタイに向かう空港だった。

「華、ちゃんと日下君の気持ちを受け止めるんだよ。」

わざと先輩面してそんな事を言ってくれる真美にはすべてお見通しみたい。

「今が一番いい時期だよね。」

真美はニッコリ笑う。

「私も日下君に早く会いたいな。2年も海外でもまれた男の顔をしているかしら?」

主婦の余裕はこんな時にも顔を出す。

「真美…、面白がっているよね。」

私はじろりと真美の顔を見る。

「当たり前でしょ。」

簡単にそんな事を言って笑う真美。

やっぱり私は真美にはかなわないみたい。

「また何かあったら、ちゃんと私に相談するんだよ。」

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