運命の出会いって信じますか?
出鼻をくじかれて、凄く動揺している私。
「30歳か。俺は24歳。ちなみに俺の名前は生都(なりと)って言うんだ。」
何とも落ち着いて答える目の前の彼。
もっと若いのかと思っていた私はちょっとホッとする。
でも6歳も年下なんだ。
マジマジと彼の顔をもう一度見た。
やっぱり肌は若いよね…。
そんな所を見てどうするんだ、私。
「お姉さん、彼氏は居るの?何だか男っ気のない感じの家だよね。」
ちょっと私を小ばかにしたようなその態度。
玄関先から部屋の中を少し伺うような彼の仕草。
「そんなの関係ないでしょ。」
冷たく返事する私の顔を、彼はじっと見る。
「野々村華さん、俺は気にならない事は聞いたりしないよ。」