運命の出会いって信じますか?

フルネームを呼ばれ、思わずどきっとする。

そうか…、宅急便の伝票に書いてあるんだよね。

「お姉さんは俺の好み、どストライクなんだけどな。」

彼の顔が私の顔に近づいてくる。

「な、何よ。」

「今度一緒にどこかに出掛けない?」

余裕の表情で、笑顔で私に真っ直ぐに向って至近距離で言う彼。

「はぁ~?からかっているの?」

私は思わず大きな声を出してしまった。

「今度までに返事用意しておいてよ。じゃあ、毎度。」

彼は私の手から代金を受け取り、荷物を置いて出て行った。

それはあっという間の出来事。

なんで私は6歳も年下の男にからかわれなきゃいけないの?

既に閉じられた玄関ドアを見ながら、つい私は溜息をついてしまった。
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