運命の出会いって信じますか?
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-華、近々そっちに帰る。その時泊めてくれない?-

突然のメールに私はびっくりした。

もちろん送り主はパソコンの向こうのタイの英輔。

-1か月ぐらい先だけど東京本社に3日ほど出張になった。その後異動の事を含めて名古屋支社を訪問する事になった。-

「へぇ~。」

パソコンの前でニヤニヤする私。

この2年の間に何度か英輔は東京本社には来ていた。

ただ用事を済ますと、岐阜の実家に寄るだけで私と会う事はなかった。

お互いそれには触れてはいけなような気がして過ごしてきた2年間。

それはいつも真美に不思議がられていたけど、私達の中では必要な時間だったのかもしれない。

今はそう思う。

英輔はどう思っているのかは分からないけど。

でも私は海外赴任の途中で英輔と会ってしまうと、自分に制御が利かなくなる事をどこかで感じていたのかもしれない。
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