運命の出会いって信じますか?
私もいそいそとついて行った。

席に着くと、私は目の前に座る柏木さんをまじまじと見る。

「早く聞きたいって顔をしているよね。」

柏木さんがにっこり笑う。

「もちろんです。実は…。」

私はこないだの日曜日の事を話し出した。

うんうんとうなずきながら、柏木さんは聞いている。

「そうか。ちょうど陽さんが華さん達に相談していた数時間後に、私は相田部長と会っていた事になるね。」

「あの日だったんですか?」

私は目を丸くする。

「うん、相田部長に陽さんの事を話すには早い方が良いと思っていたから。そうか、あの時にはもう陽さんは部長に別れ話をしていたんだな。道理で…。」

語尾を濁した柏木さん。

「初めから柏木さんはその部長さんと話すつもりでいたんですか?」

< 152 / 478 >

この作品をシェア

pagetop