運命の出会いって信じますか?
「もちろん。ちゃんと陽さんを自分のものにしたかったから。それに相田部長にとっても、陽さんは大事な人だと感じていたからね。そんな人を奪ってしまう事になる。ちゃんと筋を通すのは、大人としてそれは当たり前だろう。」

柏木さんの口調は崩れないが、何だかとても表情がにやついて見えるのは気のせいだろうか。

「何を二人で話しているのよ。」

少しぶすっとした顔をして遅れて来たお姉ちゃんは、当たり前のように柏木さんの横に座る。

「華、変な事を話してないでしょうね?」

思わず引いてしまった私。

「陽さん、今晩は。」

その横で柏木さんはお姉ちゃんを優しく迎える。

「…あっ、正仁(まさひと)さん、今晩は。」

ちょっと恥じらったお姉ちゃんが可愛く見える。

ふうん、いつの間にか下の名前で呼んでいるんだ。

「ふふふ。」

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