運命の出会いって信じますか?

だってあえてその関係を壊す事もないのだから。

そしてお姉ちゃんは結婚をする事もなく、残りの人生を過ごしていたかもしれない。

「やっぱり運命の出会いだわ。」

つい英輔が言っていた言葉が私の口をついて出た。

これからあの二人はどうなっていくのだろう。

でもお姉ちゃんの真意がまだ私にははっきりとは見えない。

柏木さんには本気だと思うけれど、不倫とはいえ部長さんとは付き合いが長い。

それはきっといろんな面で、相性が良いんだろう。

もし身体を重ねていただけの憎からず思っていた相手が、ちゃんとした思いを持っていて、その思いを吐露するような話し合いになったら…。

お姉ちゃんはそれでも柏木さんの手を取る事が出来るのだろうか。

私は首を横に強く振っていた。

「やっぱり柏木さんとお姉ちゃんの出会いは運命よ。」

知らず知らずに私は確かめるようにそんな言葉を口に出していた。












< 159 / 478 >

この作品をシェア

pagetop