運命の出会いって信じますか?
「まあ、いいや。これ以上時間を潰せないから。毎度。」
彼はニヤリと笑って、玄関を出て行った。
お姉ちゃん…、年上の上司だけではなく、もしかしてこの年下の子とも付き合っているとか…?
私にはそんな事しか思いつかない。
「あっ、そう言えば…。」
私は我に返って、配達された荷物を見る。
「…英輔?」
それほど大きくない荷物の荷札に書いてある差出人の名前。
慌ててそのダンボールを開く。
もうこの時点で、配達の彼の事はすっかり私の頭から抜け落ちていた。
「なにこれ?」
そこには英輔の仕事上で使うであろう分厚い資料が入っていた。
一番上に一枚のメモ。