運命の出会いって信じますか?
「出発前に恰好つけてあんな事を言ったけど、正直答えを聞かなかったことをずっと後悔していた。華はメールでも電話でも全くその事に触れてこないし、あの時もちっとも嬉しそうじゃなかったし…。」
珍しくよくしゃべる英輔。
「…それで増本君にさぐりを入れていた訳?」
私は思わず今日の出来事を話してしまった。
「へぇ~、あいつ、ばらしちゃったのか。自分からは俺と連絡を取り合っている事は話しませんって言っていたのに。」
もう、私が聞きたいのはそっちじゃないって…。
「私の事、気にしてくれていたの?」
「華はこの2年、一度もこちらに来てくれなかったじゃないか。それに文句も出なかったのは、増本からちゃんと華の様子を聞いていたから。」
英輔は電話越しにフッと笑った。
「仕事に一生懸命で残業ばっかりで、なかなか有給も取れないみたいだって。他の男も近づけてないから大丈夫だって、ちゃんと増本から聞いているよ。」
私は顔が赤くなる。