運命の出会いって信じますか?

英輔は真剣な顔の私を見て、爆笑した。

「ここで夕飯の事を言うなんて華らしいな。その空気に俺は癒される。」

そして英輔は私から離れた。

英輔に肩を抱かれるように、部屋に入る。

「シャワー浴びるから、その間に準備してくれたらいいから。」

まだ笑いがおさまらないような英輔の表情。

私、そんなに笑える事言ったつもりはないんだけどな。

チラリと見たその顔はしっかり日焼けしていて、以前よりたくましさを増していた。

どちらかというとすらりとしてスマートだった外見。

でも今前にいる英輔は、大人としての貫録が付いたように感じる。

「英輔…、良い男になったね。」

思わず私の口をついて出た言葉に、英輔はまた笑い出す。

「華、それは離れていた恋人に言うセリフじゃないだろう。」

< 182 / 478 >

この作品をシェア

pagetop