運命の出会いって信じますか?

「早くお母さんに報告しなきゃ。」

私がそう言ったのを聞いて、英輔が私の顔を驚いた様子で見た。

「華はご両親に報告してないの?この日曜日にタイに帰る前に華の実家に挨拶に行こうと思っていたのに。」

今度は私が驚いた顔をする番だった。

「凄く急ぐのね。」

「何のためにわざわざパソコンで帰ってくるより先にプロポーズしたと思っているんだ。俺が名古屋支社に帰ってきたらすぐに結婚しようと、俺なりに準備を進めているんだぞ。」

英輔は私の鼻を人差し指でつついた。

「俺はちゃんと岐阜の両親に報告済みだぞ。お袋なんて、やっと華がお嫁に来てくれるって喜んでいたぞ。」

つき合いが長い分、英輔も私もお互いの実家に何度も行っている。

両方の親からしたら、やっと…というのは本音だろう。

「今日会社が終わったら、ちゃんと華から連絡しろよ。出来れば日曜日に二人で挨拶に行きたいって伝えてくれよ。」

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