運命の出会いって信じますか?

「おお、森田。こないだは済まなかったな。」

そう言えば、真美にはこないだお世話を掛けたんだっけ。

「まだ華の写メ、残っているの?」

真美は楽しそうにそんな事を聞いている。

「ああ、あのお姉さんからきた奴だろう?もちろんだ。」

そんな話をしていると、段々人が集まって来た。

みんなが英輔に声を掛けている。

私は自分のデスクに座り、その様子を眺めていた。

ああ、本当にここに英輔が戻って来たんだな。

2年前、英輔がタイに飛び立った後のあの殺風景に見えたフロアと同じ所に居る事が嘘のようだ。

その輪の中から、細野課長が大きな声を出した。

「みんな分かっていると思うが、今日と明日、日下が居るからくれぐれも仕事に集中するように。こいつはうるさいぞ。」

どっと笑いが起こる。
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