運命の出会いって信じますか?
そう、それは生理用のナプキン。

その日はちょうど一番大変な日で、私は休憩時間に入ったらトイレにすぐ駆け込むつもりだったのだ。

急ぎ過ぎて、どうもスカートのポケットから落ちてしまったらしい。

声を掛けてくれた営業さんがそのナプキンを拾おうとする。

「わっ、私が拾うから。」

私は慌てて、その営業さんの前に身体を入れた。

その勢いで、営業さんは身体のバランスを失った。

それは私が故意に営業さんを突き飛ばしたみたいな体勢となった。

「おいおい…。」

呆れた声を出した営業さんに、私は慌ててナプキンを拾うと振り返った。

「ごめんなさい。」

私はその時、初めてその営業さんの顔を見た。

「…あれ?」

不機嫌そうな声を出していた彼は、私の顔を見て微笑んだ。
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