運命の出会いって信じますか?
そう、英輔が居ればそこが家だろうと外だろうと場所なんて関係ない。

「遊園地でも行くか?」

あまりにも思いがけない英輔のその言葉に、私は英輔の方に振り返った。

「何の冗談?」

顔を引きつらせながら言う私を見て、英輔は楽しそうに笑う。

「あそこは俺の思い出の場所だから。それにこんなに長い付き合いなのに華と行ったのは初デートだけだから。」

「う~ん…。」

英輔の気持ちは分かるけど、私にはあんまりいい印象が残っていないんだけどな。

私の表情がイマイチなのを見て、英輔は私の顔を覗きこむ。

「やっぱりダメか~。華が乗り気じゃなかったらやめるか。」

「どうしよう。」

私はそんな英輔を見ると、何故だかはっきりと断る事が出来なかった。

いつもならちゃんと英輔に言えるのに。

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