運命の出会いって信じますか?
「その柏木さんって人に早く会ってみたいな。」
どことなく楽しそうな英輔。
昨晩、ベッドの中で英輔には柏木さんとお姉ちゃんのいきさつを話しておいた。
でも私はへろへろの状態だったから、ちゃんと英輔に伝わっているか疑問だ。
「あのお姉さんを本気にした人かぁ~。」
誰もがやっぱりそう思うんだよね。
お姉ちゃんを知っている人のまっとうな感想だと思う。
「華は覚えている?俺がお姉さんに初対面で何て言われたか。」
英輔は意地悪そうに笑う。
-今夜は帰って来なくてもいいよ。-
そんなお姉ちゃんの声が私の頭によみがえる。
「おかげで俺は華を抱きそこなった。あの日に絶対華を逃してはならないと心に誓って華の家の前に立ったのに。」
「そうなの?」