運命の出会いって信じますか?
お姉ちゃんは柏木さんの大きな手に頭を撫でられ、照れた顔をした。

可愛い…。

容姿に恵まれたお姉ちゃんのこんな姿に落ちない男が居るんだろうか。

ふっと心配になって、私は英輔を見上げる。

「ん?華もして欲しい?」

今度は私が照れる番だった。

「…ちっ、違う。こんな所に居ると邪魔だから、早く中に入ろう。」

焦っている私に、やっぱり英輔は私の頭を撫でた。

「俺には華が一番だから。」

まるで私の気持ちを見透かしたような英輔の言葉。

そして英輔は私の肩を抱くと、店の中に入って行った。

その後ろをついてくる柏木さんとお姉ちゃん。

絶対私達の様子を冷やかしているに決まっている。

でも肩にある英輔の手が温かくて…。

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