運命の出会いって信じますか?
そうつぶやいた私はハッとする。
もう玄関先で何か話している声が聞こえる。
私を図々しくデートに誘ったあの子。
英輔に変な事を言わないだろうな…。
私が悪い訳でもないけど、何となく嫌な気分に襲われる。
「毎度~。」
しばらくすると、いつものあの声が聞こえた。
やっぱりいつもの配達の子だ…。
その声を聞いて私の胸はドキッとする。
「華、これ受け取っておいたぞ。」
いつもと変わらない普通の感じで英輔はそう言った。
「ありがとう。」
私がその英輔の様子にホッとした瞬間だった。
「あの配達の人、華は知り合いなの?」