運命の出会いって信じますか?
普通の様子を崩さずに、受け取った化粧品の箱を見ながら英輔は言った。
「なっ、なんで?」
私はどもってしまった。
「だっていつもは女の方に受け取ってもらっているんですけど、あなたは誰ですかって聞かれたから。」
ははは…と私は笑う。
「この化粧品、毎月1回定期的に届くの。いつもあの人に配達してもらっているから、知らない男の人が出て来て驚いたんじゃない?」
私は正直に答えた。
でもどうしてこんなに後ろめたい気持ちになるんだ…?
「ふ~ん。」
チラリと英輔は私の様子を見た。
「もしかしてあいつにも言い寄られたりしているんじゃないの?華に会えなくてすごく残念そうに見えたぞ。」
「そりゃ、毎月顔を合わせていれば挨拶くらいするからね。」