運命の出会いって信じますか?
私は普通を装って、英輔の顔を見る。

う~ん、やっぱり納得出来ないようなその表情。

「あのさ、英輔。あの子24歳だよ。そんな若い子が私の事なんて相手にするわけがないじゃない。」

またさらにムッとした顔をした英輔。

あれ?私、何か間違った事を言ってしまったかな。

「何で華があいつの年齢を知っているわけ?」

ああ、そういう事か。

それについては事実だから、すらすらと話せる。

「だって真美が若い配達の子が来るって話をしたら、妙に興味を持って年齢を気にしていたから聞いてみただけ。」

そう言ってから、本当の意味での事実じゃない事に気が付いた。

違う、私があの子に先に年齢を聞かれたんだった。

「…もういい。俺は華を信じているから。さあ、支度をして出掛けるぞ。」

先までとは違って、ニヤリと笑う英輔。

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