運命の出会いって信じますか?
場所は変わっていなかったけれど、リニューアルされて8年前とは全然雰囲気が違う。

「英輔、これもっと怖くなっていない?」

私はお化け屋敷に背を向けようとした。

「華?」

その私の動きに英輔は慌てて私の手を引っ張る。

「何年経っても嫌なものは嫌だ。」

私はきっぱりと言うと、英輔を睨んだ。

「あの時は英輔に半分強引に連れていかれたけど、今ならちゃんと言えるもの。出来れば入りたくない。」

すねた顔を見せた私の肩を英輔が抱いた。

「…今日は手を離さないから、一緒に入ってくれないか?」

英輔の笑顔は優しいけど、その言葉は有無を言わせないものが滲んでいた。

「絶対だよ?」

私は情けない顔をして諦めるように英輔の顔を見つめた。

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