運命の出会いって信じますか?
「俺は嘘をつかない。」

英輔は軽く私の額にキスをすると、私をお化け屋敷へ促した。

中はやっぱり真っ暗で、私は直ぐに自分の身体がびくついている事に気が付いた。

でも…。

8年前はしかけの人形が突然目の前に現れたりする、いわゆる原始的な作りのお化け屋敷だった。

しかし今日入ったお化け屋敷は、怖い場面が再現してあってそれを見て回るような形となっていた。

私はその事にホッとする。

「内容がだいぶ変わってしまったんだな。」

少し残念そうな顔をする英輔。

「私はこの方が良い。」

そういう私の顔を複雑そうに見る英輔の口が動いた。

「華が変わっていないか確認したかったんだけどな。」

暗闇の中でも私を見つめている英輔の気配がはっきりと伝わってくる。
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