運命の出会いって信じますか?
「たまらなく華を守りたくなったんだ。」
英輔を手で感じながら、さらに英輔の視線を感じる。
「自然に、自然に。流れには逆らわない…。」
今度は私がそう囁きながら、英輔の手に力を入れる。
「あの日はね、そればかり考えていたの。まだ自分の気持ちが分からなくって。でもそれからは何も英輔に逆らえなかった。」
「そう言えばその言葉の理由、ずっと聞いていなかったな。」
英輔が笑ったような気配がする。
「英輔に無理に合わせていた訳じゃない。あの日はそれが自然だったの。」
初めて話した言葉に私はふっと力を抜く。
そこで私達は出口にたどり着いた。
半分ぐらいはただ話しながら歩くだけだった。
何の為にお化け屋敷に入ったのか分からないくらい。
お化け屋敷を出たところで、英輔に抱きしめられた。